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2013年9月 7日 (土)

ケニーのハーレーと'85鈴鹿8耐DVD

ゲリラ豪雨に残暑と厳しい季節が続いておりますが、
みなさんのところは大丈夫でしょうか?
それでも月日は巡って早や9月……、エッ!? もう9月?
ってことで、急ぎブログを更新させていただきます。

まずは、約1カ月前の事件から。
ケニーのハーレーを壊した件でございますsweat02

Photo
[↑ケニーのモーターホームに、ケニーのハーレー(2台とも)]

8月5日にウェイン・レイニーさん宅に取材でお邪魔したのち、
ボクが向かった先はサウスダコタ州のラピッドシティという小さな街の空港。
そこから北にちょっと行ったスタージスという街で、「全米一」ともいわれる
ハーレーダビッドソンの大きなミーティングが行われていたんです。

Photo_2
[↑ハーレーで埋め尽くされるスタージスのメインストリート。
ここだけでなく、街のいたるところでバイカー向けのイベントが行われていて、
1週間(?)、いや2週間(!?)、ヘタすりゃそれ以上の長い期間、
しかも昼夜問わずお祭り騒ぎが続きます。
日本でいえば、一番人が来たといわれる'90年前後の
「鈴鹿8耐ウィーク」が10倍以上の規模となって毎日延々と続く感じです]

なんでそんなところにケニーがいたかっていうと、
全米各地にいるケニーのバイカー仲間たちが
この「スタージス」の時季に集まって、昼間はツーリングしたり、
夜はお酒を飲んだりして年に一度親交を深めあっているんです。
しかも、モーテルを借り切っての大親睦会。
バイクで自走してくる友人の方々はモーテルの部屋に泊まるんですが、
ケニーなんかは上の写真にあるモーターホームでキャンプ。
実はケニー、500㏄の元世界チャンピオンであるのと同時に、
ハーレーでツーリングを楽しむバイカーでもあるんですね。
ちなみにケニーはハーレーのほかにBMWのR1150GSも持ってます。

ケニーと親しく話してもらえるようになってから、
ケニー本人から、また奥様のともこさんから、
ともこさんが慕うレーサーズでもおなじみの塚本ネーサンからも
スタージスに誘われていたのが、ようやくこの夏かなったワケです。

で、トークショーを一緒にやった7月の鈴鹿8耐が終わると、
すぐにカリフォルニアに戻ったケニーとともこさんは、
スタージスのための荷物をモーターホームに積み込んで、
2~3日かけてこの地までやって来ていたのです。
モーターホームの後ろには自分が乗るハーレーと、
ボク用のハーレーを積んで……。あぁ、恐れ多い。

Photo_3
[↑出で立ちも立派なともこさんにケニー。赤いマルボロツナギを着て、
0W70でキレッキレの走りをしていた頃と比べると、すごいギャップ……。
ちなみに、コチラ(↓)がみなさんご存知の赤い'83ケニー]
Kenny

でも、みんなを束ねてチームを仕切るボスっぷりは健在。

Boss
[↑マールボロっていう大スポンサーを得て、
世界チャンピオンを擁しながらトップチームを率いていた頃の'91ケニー。
ちなみに、コチラ(↓)はこれから向かうツーリング先について、
お仲間約30人に指示出しする、この夏のケニー。KINGでしょ~]
Photo_4

あ、そうだ。ひとつ思い出したゾ。
ボクがラピッドシティの空港に着いたとき、
ケニー夫妻が迎えに来てくれたんです。ケニーはハーレーで、
ともこさんはご友人から借りてきたピックアップを運転して。
なにせボク、ウェインさん取材後で荷物が多かったから。あぁ、恐れ多い。

でですね、ともこさんに運転させちゃ申し訳ないと思って、
僭越ながらピックアップの運転手を買って出たんです。
するとKING(←なぜかココからKING呼ばわり)が、
「じゃあ、オレの後を付いてこい」と仰る。
もちろん付いていくしかなかったボクは、
ハーレーですっ飛ばすKINGの後を必死で付いていったワケです。
すると……、走り出して10分も経ってないというのに、
赤/青の回転灯を回すパトカーが追っかけてくるじゃないですかッ!

不肖カトウ:「エッ!? オレ? マジ、オレ?」
ともこさん:「エッ!? かとちゃん? スピード!?」と、クルマの中はパニック。
一方、KINGはというと全開のまま行っちゃった……。

とりあえず、細い路地に右折してクルマを止めたワタクシ。
後ろのパトカーからは、ゆっくりとした足取りで
映画でよく見るアメリカの警察官が下りてきた。
ここでクルマから勝手に下りると警戒されるのを映画で見たことあるので、
運転席に座ったまま窓だけ下して警察官が来るのを待ってると、
「スピード出し過ぎ。免許証見せて」と言うではありませんかッ!
「エッ!? 何マイルオーバー?」と聞くと、
確か18マイル(約29km/h)オーバーと言ってたかと思います。
もうビビッちゃってて、覚えてません。

「罰金いくらになるのぉぉぉ」「KINGに付いていくんじゃなかったぁぁぁ」
などと外国の空の下で後悔していると、
なんとKINGが颯爽と戻ってきたではないですかッ!
「やっぱりKINGだ! さすがに、ひとりで逃げるなんてことはないよな。
しかもこの場は、『俺はKIINGケニーだ』とか言って、
オレのスピード違反をもみ消してくれるハズだ!」と、
ものすごい勢いでボクのアタマが回転し出したのです。

ところがKINGの顔は、「お前ら、どうしたの? 何したの?」という表情。
事情を説明すると、次に警察官がKINGに向かって、
「あなたは、このクルマの前を走っていましたよね?
(=同じだけスピード出してたよね?)」と質問すると、
KING:「no、noo、Nooooo!」と言って、後ずさる。
どこがKINGだっつーの!

すべてお見通しの警察官は、
そんなケニーの返答に思わず吹き出しちゃって、
またボクが日本からのツーリストということもあって、
「今回だけだぞ。気を付けて行けよ」と許してくれました。
あ゛ー、よがったsweat01

長くなっちゃって、ごめんなさい……。
話は翌日のツーリングに戻ります。

Sd
[↑8月だというのに、サウスダコタは空気が乾燥しているからか、
バイクで飛ばすと寒いくらい。でも、空の碧さ、木々の緑が眩しい!]

と、ここまではケニーから借りたハーレーは調子よかったんです。
ところが、ガソリン給油で小休止したスタンドから出ようと思ったら、
エンジンがかからない。セルボタンを押しても、
「カチカチカチ」というだけで、いっこうにかかる気配なしdown

Photo_6
[↑緑の帽子を被った背中姿がカトウ。左隣で中腰姿勢は、
カリフォルニアの警察に勤めていた元パイロットのジムさん。
ハーレーの向こう側にいて、故障カ所を探しているのは、
やはりカリフォルニアで薬剤師をやってるロニーさん。
この場では、近くにいたSUV(クルマ)のバッテリーに
ジャンピングケーブルでつないで、なんとか再スタートできました。
ジムさんからは、「今日はこれからエンジンかけっ放しだぞ」と
念を押される……。
ちなみに、この時点でこのガソリンスタンドにいたのはボクらだけ。
先頭を切って出て行ってしまったケニーたちご一行様は、
このトラブルを知らなかったのです。ちなみに、上の写真は、
ロニーさんの彼女のマーサさんが撮影しています]

エンジン再スタートに30分以上もかかってしまったため、
さぞかしケニーたちも心配しているだろうと思い急いで後を追うも、
なぜだかケニーたちと落ち合えない。
さすがに、ボクら3台が付いてこないことに気がついて、
ケニーたちが引き返してくるかと思って途中で立ち止まるも、
やっぱり落ち合えず。後でお互い確認しあってみたら、
どうやらボクらが道を間違えていたらしいんですw。
心配したケニーが、ガソリンスタンドまで戻ってきてくれていたのに、
ボクらはまったく違う方向に進んでいたのでした。

そんなこととはつゆ知らず、ゆるゆると先へ進んでいると、
なんとまたトラブル。今度は走ってる最中にエンジンがストールし、
路肩に寄せた後は二度とかからなくなってしまいました。

2
[↑「バッテリーを新品にしてしまおう」ということで、
ロニーさん(写真左)が知り合いのバイク屋さんのトッドさんに電話。
約2時間ののち、新品を持ってきてくれました]

エンジンがかかったときは、もう午後2時過ぎ。
この先、ベースキャンプであるモーテルから遠ざかるのは
得策じゃないということで、引き返すことに。
ボクのためにロニーさんと彼女のマーサさん、ジムさんが
楽しみにしていたツーリングを台無しにしてしまったとお詫びしていたら、
ロニーさんが「そんなことは気にするな。だいいち、お前のせいじゃない。
それより、スタージスのメインストリートに行ったことあるか?
ないのなら、帰りがけにメインストリートに寄っていこう」と言って、
連れてってくれたのが上から2番目の写真なワケです。

いままで業界の先輩・伊勢 悟さんの写真でしか見たことなかった
スタージスのド真ん中に来れて感慨ひとしお。
お土産買ったり、ハーレーを眺めたり、こんな写真を撮ったり(↓)。
Photo_7
[↑黒いTバック以外のお尻はすべてペイントのオネーサン。
“MADE IN USA”なんて、シャレが効いてんなー]

その頃ケニーはどうしていたかというと、
「ゲートブレーカー(ケニーはボクのことをこう呼びます)は、
たぶん道に迷ったんだろう。とりあえず、モーテルに戻って
ゲートブレーカーが帰ってきたら、近くの名所に連れて行ってあげよう」
といろいろ考えてくれてたみたい。優しいでしょ、ケニー。

さて、ボクはというと、スタージスを満喫したのち帰路についたんですが、
なんとまたエンジンストール。この日、3度目。もう直すのはあきらめ、
バッテリーを持ってきてくれたトッドさんに再度電話し、
レッカー移動をお願いしたしだいです。

ボクがモーテルに戻ってきたときには、
すっかり酔っぱらっていて、ことの顛末を聞いていたケニー。
「俺の大事なハーレーを壊しやがって!」って楽しそうに言うから、
「But, Sturgis was so amazing! I've never seen big Titts!」
と、ボクも調子に乗って言うと、
「F○○○○○○ッCK!」と言って、モーターホームに
フォーティフォーマグナムを取りに行きかけてました(大汗)。

「ゲートブレーカーは、これからバイクブレーカーと呼ぶ」
と叫ぶ酔っぱらいのケニーの横で、トッドさんとボクは、
「これはおそらくレギュレーターのパンクだと思う」という見解で一致。
ほかのみなさんも、「ケニーがノーメンテナンスだからいけないんだ」
という意見で盛り上がってました。

さて、いきなりですが、
そんなケニーがKINGたる走りを日本のファンに見せつけた
1985年の鈴鹿8耐DVDが、去る8月31日に発売になりました。

Dvd
[↑ちなみに、いま編集中のボクの机の上]

実は、このDVDのパッケージの中に入っている
紹介文(ごあいさつ文とでもいうのでしょうか!?)を、
不肖カトウが書いております。

Dvd_2
[↑結構な文字数、書きましたよー]

なにせ思い出深い'85の8耐ですからね。
お問い合わせは、
ウィック・ビジュアル・ビュ-ロウ(TEL.03-5363-1070)までどうぞ。

アメリカから帰ってきて、このDVD見たら、
つい先日、「no、noo、Nooooo!」と言って後ずさってた人と
KINGたる走りをする元世界チャンピオンが一致しなくて困ったー(笑)。

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コメント

アメリカの青い空が綺麗です。

BLOGのネタだけにするには、とても勿体ない内容ですね。
キングが警察の詰問にスットボケル件は、まったく想像がつきません。

平さんもBMWのR乗ってらっしゃるし、レーサーの皆さんは普段はセパハンのオートバイは乗りたくないのでしょうかね。

投稿: canno | 2013年9月 7日 (土) 13時53分

加藤様こんばんわ、素敵なアメリカ紀行文(?)ですね。
やっぱ米国人にとってバイク=ハーレーなんでしょうか?
向こうで日本産のアメリカンバイク(つまりハーレーダビッドソンレプリカ…)って走ってんですかねェ。
純日本人の私としてはヤマハ以外のKINGって想像しにくいものでして。

投稿: 21伝説 | 2013年9月 7日 (土) 22時27分

どこの国でも、スピード違反はキツいのですね…でも、初犯の観光客にお目こぼしがあるのは、万国共通?
その昔、ライダースクラブに載ってたプロビーニさん記事に「違反で捕まる度に、自分とこのバイクプラモの完成見本品を賄賂に、もみ消して貰った」なんてありましたがo(^-^)o

投稿: lc1gr6 | 2013年9月 7日 (土) 23時18分

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